東北有数のショッピングモールに誕生した、新たなカルチャースポット。

宮城県名取市にある〈イオンモール名取〉は、仙台空港アクセス鉄道「杜せきのした駅」に直結しており、空港や仙台駅からのアクセス抜群。駐車場も充実しているため、名取市はもちろん、宮城県内のさまざまな地域から人々が訪れる、東北でも有数の大型ショッピングモールです。
2025年4月には「キッズママ スマイルモール」をコンセプトに、地域のファミリーが訪れるたびに新たな思い出を作れる場を目指して、大規模リニューアルを実施。無料の屋内遊戯施設「なとりぱーく」や、ベビーカーのまま利用できる飲食スペースなどが新たに加わり、小さな子を連れたファミリーでも安心して楽しめる場所へと生まれ変わりました。新規店舗も多数登場し、モール全体が一段と魅力的になっています。

そんな〈イオンモール名取〉で、6月20日(金)にリニューアルオープンした〈未来屋書店名取店〉も見逃せません! 蔵書数はなんと約25万冊。思いがけない一冊と出合える、本好きにはたまらない空間です。

今回のリニューアルでは、子育て世代にうれしい児童書コーナー「みらいやの森」が東北に初登場。また、子どもの読書に関する悩みを気軽に相談できる「はぐくみカウンター」も設置され、地域の子どもたちがもっと本と親しめるようになりました。さらに、コミックやアニメ・ゲーム雑貨に特化したエンタメコーナー「コミLab.(コミラボ)」も新たに加わり、幅広い層が楽しめる空間へと変わっています。

そして今回、〈未来屋書店〉のリニューアルとともに新しく登場したのが、文具と本、そしてカルチャーがゆるやかにつながる、新感覚の文具店〈BUNGUU(ブングー)〉。
文具専門店〈カネイリ〉と〈未来屋書店〉の初のコラボレーションによって誕生した〈BUNGUU〉には、文具専門店やミュージアムショップの運営で培った〈カネイリ〉の知見を活かしてセレクトされた文具や雑貨が並び、本と一緒に楽しめる空間が広がっています。
BUNGUU, It’s New Fancy!
店内に足を踏み入れると、黒いシルエットのオリジナルキャラクターたちが出迎えてくれます。自由自在に動き回るキャラクターに彩られた店内は、思わず写真を撮りたくなるようなにぎやかで楽しい雰囲気。




「ここって本当に文具店?」と思ってしまうのも当然のこと。なぜなら、ここはただの文具店ではないから……! さっそく、〈BUNGUU〉が目指す世界観についてご紹介しましょう!

「なるほど、ファンシーショップっぽい雰囲気なのか! でも“ニューファンシー”って何?」と思った方もいるかもしれません。もちろんその疑問にもお答えします。
今回、〈BUNGUU〉の秘密をひも解くため、プロジェクトの仕掛け人のひとりである、株式会社金入 代表取締役の金入健雄(かねいりたけお)氏に話を聞きました。

「専門店ってどうしても“詳しい人向け”になりがち。文具の世界は奥が深く、こだわりだすとキリがない。でも〈BUNGUU〉では、その専門性を“楽しさ”としてイオンモールに訪れた人々にポップに伝えるために、まず“わかりやすさ”を徹底しようと考えました」
広くて奥行きのある店内にはたくさんの商品が並んでいますが、どこに何があるか自然にわかるような工夫が施されています。その秘密は、天井付近に設置されたPOPにありました。



また、動線にも工夫が。「本から文具へ、文具から本へ」と回遊できるよう設計されているのです。例えば美術書の近くにアート系の文具を配置したり、デザイン書の横に画材を並べたり、関連書籍と関連文具をセットで展開することでジャンルを越えた“気づき”が生まれます。
「本と雑貨、文具を“組み合わせ”で並べる発想は、これまでの文具店にはあまりなかったと思います。“発見”のある売り場を目指し、商品の関係性も大切にしています」
読むと使いたくなる、使うと読みたくなる、そんな直感的な流れを自然に体験できるよう工夫されているのです。

〈BUNGUU〉では、「見つけてもらう」「立ち寄ってもらう」ことを意識したユニークな空間づくりを行っています。その鍵を握っているのが、店舗正面と未来屋書店側から入ることができる2つの入口です。

正面入口のそばにある平台では、〈未来屋書店〉×〈BUNGUU〉が推したいトレンドやシーズンアイテムがチェックでき、その先には生活雑貨やデザイン雑貨と、自然と奥へ引き込まれる売場構成になっています。

そして文具コーナーからの入口は、「コミLab.」付近の〈未来屋書店〉内メインストリートに面しており、ふらっと立ち寄った方が「文具っていいな」と思ってもらえるきっかけづくりを狙います。文具の新商品を集めた「NEW BUNGUU」コーナーもチェックできますよ!
このように、正面入口、〈未来屋書店〉側入口、どちらの入口からも訪れた人の“興味”が広がっていくような売り場の構成となっています。文具からコミックへ、本から雑貨へ。ジャンルを超えてわくわくがつながっていく、そんな店舗体験を実現しています。

店内では、〈未来屋書店〉とのコラボレーションによる売り場づくりも展開されています。本と文具、雑貨の組み合わせは、どれも自然につながっており、それぞれのコーナーが個性を持ちながらも調和のとれた空間をつくり出しています。

ナチュラルに広がる展示の中には、それぞれのジャンルの“主張”が込められています。けれども全体を通して感じられるのは、どこを歩いても漂うわくわく感。この空間に足を踏み入れた瞬間、ジャンルの垣根を越えて「おもしろい!」「これ、ほしい!」という気持ちが生まれるような、そんな売り場になっています。
「ファンシーショップ」を令和的に再構築
アート×デザイン×ローカルカルチャー=ニューファンシー!

文具好きが集まる人気イベント『文具博』のようなわくわく感を日常に取り入れたい──今回のプロジェクトがスタートしたときに真っ先に考えたことだと金入社長は言います。けれど、イベントのような高揚感を常設店舗で表現するのは簡単ではありませんでした。
そんなとき、ヒントになったのが「ファンシーショップ」。1980年代に“可愛いものを集めたい”“誰かに見せたい”という気持ちから、熱狂的に愛された文化です。
「“可愛いものを集めたい”という人が本質的にもっている欲求は、時代が変わってもなくならない。だったら、僕たちなりの“令和版ファンシーショップ”をつくってみようと思ったんです」

かつてのファンシーショップが持っていた“可愛いものを集める楽しさ”を、現代的な感性と専門性で再構成してみよう。ファンシーショップを切り口にして、そこに加えられたのが、〈カネイリ〉が長年取り組んできたアート・デザイン・ローカルカルチャーの視点。 “ポップ”で“ファンシー”だけでは終わらない、“文化的好奇心”を刺激するスパイスが、この店には込められています。
「イオンモールというショッピングモールに訪れるお客様はファミリー層がメインです。そんな巨大な舞台で、僕らが今までやってきたアートやデザイン、ローカルカルチャーを『かわいいですよね』って提案できたらおもしろいと思った。かつて人々を熱狂させたファンシーショップ、令和の〈カネイリ〉バージョンとして」

1947年に青森県八戸市で文具専門店として創業以来、暮らしと文化の創造に寄り添ってきた〈カネイリ〉。「東北の文化を未来につなげたい」という想いのもと、〈八戸ポータルミュージアム〉、〈せんだいメディアテーク〉内におけるミュージアムショップの運営や、東北の手仕事を発信する〈東北スタンダードマーケット〉の運営等、これまで東北各地に9店舗を展開してきました。
青森県八戸市にある〈KANEIRI Museum Shop〉では、デザイン雑貨や新しいものと東北の工芸品を組み合わせて販売するという新鮮な切り口で、地元の人にも東北を愛してもらうきっかけとなるような店舗づくりを。また、宮城県仙台市の〈KANEIRI Museum Shop 6〉では、建築、デザイン、アート、ローカルカルチャーにまつわる書籍や、東北のクリエイターが手がけたクラフト作品を一緒に並べています。


「これまで“ミュージアムショップ”という形で、文化や工芸品、デザイン、ローカルカルチャーを紹介してきましたが、今回はそのステージを変えて“ファンシー”というテーマで挑戦してみたかったんです。よりポップに、よりわかりやすく。キャラクターショップでも、昔ながらのファンシーでもない。あくまで自分たちなりの“ニューファンシー”を表現したい」
“欲しくなる”体験を、もっと身近に。
必要なものを買いに来るだけではなく、ここに来て初めて“欲しくなる”ような出合いをしてほしい。そんな“発見の場”を目指して、〈BUNGUU〉にはさまざまな仕掛けが施されています。
「気軽に手に取ったアイテムの背景に、実はカルチャーやストーリーがある。そんな深さと楽しさを両立させた空間をつくりたいと思っています。もちろん、デザインやローカルカルチャーへの視点はこれまでの経験を活かしたものですし、文具店としての専門性も私たちはしっかり持っています。だからといって、知識がなくても楽しく体験できる。そんな“ニューファンシー”な空間を感じてもらえたらうれしいです」

「専門性の高いジャンルを、もっとわかりやすく、広く届けたい。それって、“Mステ目指そうぜ!”って感じなんです。自分的にはすごくわかりやすい例えなんですけど、どうですか? インディーズバンドが大衆に届けようとして、コアなファンにちょっと怒られちゃうみたいなやつ(笑)それを目指しています!」
これは……伝わりましたでしょうか? なんとなく、わかる気がします!(?)
〈BUNGUU〉はこれからも、専門知識がなくても楽しめる仕掛けや企画を積極的に展開し、訪れるたびに新しいカルチャーと出合える“発見の場”としてアップデートし続けます。
次回の記事では、〈BUNGUU〉のさらに多彩な魅力や独自の仕掛けを深掘りしてお届けする予定です。みなさまどうぞご期待ください!
■店舗概要
店舗名:BUNGUU
施設名称:未来屋書店名取店
住所:宮城県名取市杜せきのした5丁目3番地の1 イオンモール名取3F
電話番号:022-382-5208
営業時間:10:00~21:00
▶【BUNGUU】Instagram
▶【BUNGUU】X
▶【BUNGUU】Facebook
■関連リンク
・イオンモール名取|未来屋書店 2025年6月20日(金)移転リニューアルオープン
・未来屋書店|日常に彩りを添える、本と文具の融合空間が イオンモール名取3Fに6月20日リニューアルオープン!
・株式会社金入|新店舗『BUNGUU』オープンのお知らせ

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直耕インスピレーション編集部
株式会社金入(青森県八戸市)のオウンドメディア『直耕インスピレーション』は、地域において、もっと自由に、自律的に、日々の仕事の中に小さなチャレンジや創造性を生み出していくためのインスピレーションを集め実践していくためのWEBメディアプロジェクトです。